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銀色世界で二人三脚
手作り弁当と・・・
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結果、ある程度終わってお昼ご飯食べに屯所に帰ってきたのはおやつの時間だった。


「腹減ったし、疲れた…」
「皆さん、自分は部屋に弁当があるので、ここで」
「おーぅ」
「事務長もお疲れな〜」


一緒に帰ってきた隊士たちとは別れて、数時間ぶりに部屋に戻ってきた。
部屋の机に置いてあるのは勿論、
手作りの『弁当』
と、
赤いキャップの『マヨネーズ』

(……へ?まま『マヨネーズ』!?)


「しまったァァ!マヨネーズ返し忘れてたぁっ!」


頭を抱える程忘れていた。頭を抱えるには、別に理由があるのだが……。

「ヤバいなー気づいてるかなー?気づいてるよなー…」


何に気づくかというと、マヨネーズのことであって。

誰が気づくかというと、食堂のおばちゃん………なんて優しいもんじゃない!


鬼の副長ことマヨラー土方だ!


「副長気づいてるよなー…使いかけが無くなってたら気づくよなぁ」

ってか、
「このマヨネーズ、『土方』って書いてあるんですけど?あっはっはもう人生どうしよう!?」

(おばちゃんのうっかりさんめェェェ!!!チクショー!)


もはや、上昇していた気分は急降下した。断崖絶壁を指二本でぶら下がった気分だ!


「局中法度に『個人のマヨネーズをつかったら切腹』はあったかなぁ?無いよな?無いと信じるわっ!」

どう言おうと悪いのは自分だ。素直に副長には謝ろう!そして、切腹だけは勘弁してもらおう!


「よし!入院の覚悟はできた…いざ、食堂へ!!」


元気が有ればそのまま食堂の床で食べようと思い、弁当とマヨネーズを抱えて食堂に進んだ。そして重い足を引きずるように歩いて食堂に来てみれば……


「テメェ等ネタはあがってんだッ!大人しくはきやがれ!俺のマヨネーズをどこにやった!?」

「ち、違います!!俺たち何にもしてませグブァッ!」

「あ゙あ゙ん?俺に口答えか?やんのかコラ」

「副長っソイツすでに白目むいてますからァァ!アブロッ!」

「いいからマヨネーズどこやったっつーてんだよォ!」


食堂に鬼神土方様が降臨されていた。

(あー誰ですかね。鬼神降臨の儀式をしたのは?自分ですかそうですよねぇ!?)

ゴクリと喉が鳴る。頭の中では、危険を知らせるサイレンが響きっぱなしだ!


(…ヤバいヤバいヤバい!すでに2人殴られてるし!スゲー怒ってるよ!?)


食堂の入り口で、いま話題の土方マヨネーズと弁当箱を抱えて立ち尽くす自分。足が恐怖ですくんで動かない。
そのうちにも、無実な隊士が鬼神によって廃人と化していた。

もう一度ゴクリと喉を鳴らし、このままでは隊士に恨みを買うので申し出る覚悟を決めた。


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