銀色世界で二人三脚
手作り弁当と・・・
ズダダダダッ
スパーン!!
「そぉおごぉぉ!!」
「!」
「っ!!!」
襖を良い音ならして怒鳴り込んだら、やっぱり畑山の所に居た。毎度総悟を怒鳴っているが、この部屋では初かもしれない。
チラリと畑山を見るが、顔を反らされた。少し機嫌が悪いらしい。
いつもは目線が外れるか、機嫌がいい時はニコリと微笑まれるくらいだ。
(あーそういやぁ今日はコイツ残るんだったか)
初実戦の後も2回ほどそれに近い事があったが、やはり畑山は俺の近くで戦っていた。
それが更に意識させる要因だったが、今回もコイツは俺の近くに居る気だったのかもしれない。
(と!意識飛ばしてる場合じゃねぇな)
寝ころんでいる総悟を睨みつける。
「てめぇ。また畑山のところか」
「せっかく静かに寝れそうだってのによゥ。なんだ土方ァ!」
「てめっ…はぁ。畑山のとこで休憩にゃまだ早ぇだろ!つか仕事しろや!出るから来やがれっ!!」
一瞬、頭に血が上ったが、畑山からチリッとした殺気を当てられたもんだから冷めた。刀に手を伸ばさず、怒りに震えるに留まる。
総悟はそれをニヤニヤ見てから、仕事する気になったらしく立ち上がった。
(このガキャー…ココ出てから斬ってやる!)
「へいへい。どこかの土方がウルサくてかなわねぇ。事務長〜ゥ失礼しやしたっ」
「いえ、隊長いってらっしゃい」
総悟を送り出し、部屋に残って畑山を見るが、いっこうに顔はこちらに向けてくれない。
コイツが一緒について行きたいのなら、どーしたもんか。
畑山の横顔を眺めていると、畑山がお辞儀をした。
「…自分は一緒に行けませんが、お気をつけて。副長」
黙っている俺に、ついて行くのは無理と考えたのか送り出す言葉を言われた。行けないなら、さっさと追い出そうってか?
声は普段の物とは変わらなかった。
だが、お辞儀をするときに見えた畑山の顔は寂しげに見えた。
多分、見間違いじゃない。意識して畑山を見ていたお陰で、今ではフとした変化は解るつもりだ。
(……おー…変態か俺は)
「…おう」
短く返事をして、部屋を後にした。
(俺は、お前が安心するならそばにいてやるさ)
その後は、俺と事務長を応援すると言っていた奴らと『どうにか手作り弁当とやらを拝めないか』を奮闘することになった。
××後記××
相変わらず恥ずかしいですねーこの副長っ!穴があったら埋めたい!頭のてっぺんまで土かけてやりたい!
とか思ってたら、組全体にバレてんのかい!
そんな展開です。酷い勘違いと言うか、展開が酷い。タイトル長い。長すぎた。
『副長想われてねーよ。怖がられてんだよ。』
『読み比べると、酷い勘違いしてんよ。一度冷静になれー。お前は人の気持ちがちゃんと解る子だー。』
そんなツッコミをしながら読んでいただければ、コレ幸い。
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