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銀色世界で二人三脚
手作り弁当と事務長っ!上
彼女をつくりにくい男、[畑山進後]!


前世が女性だったもんだから、『女の子可愛い!』とは思っても、『愛してる』までなかなか行き着かない。


前世の[伊達明]のことは、自分だと知らないゆえの初恋だからなぁ。落ち着いて考えると、コレ自己愛だぞぉ。自分が好きって、ナルシストの考えだから。


彼女つくろうにも、平凡な顔つきの自分にはモテスキルも無いわけだがね!!


そんな結婚にはほど遠い自分。

今日は、自分でお弁当を作ってきた。


たまに食べてみたくならない?あれ、お母さんに作ってもらったお弁当って最強だよね。
たまに、『これ母さんがつくってるのか』と思うと、愛情を感じるだろう?アレって。
前世の明には最強の弁当だった。


・・・分かってるよ。


現世の自分には作ってくれるお母さん居ないさ。もう星になったさ。


この弁当も自分で作ったさ!


くそぅ、どうせなら八に作ってもらえばよかったのか?頼めば作ってくれるかなぁ八ヱ門・・・・。さくらでんぶで、ハートマークつくりそうで嫌だけど。そしたら殴ってやろう。


まぁ自分で作った弁当だが、ちょっと前世の学校生活を連想させて楽しみになってきたんだ。お昼楽しみだな〜。


「あれ?進後、なんか良いことあった?」


ウキウキしてるのが出ていたらしい。早速、退にバレてしまった!困るものじゃないけど。


「バレたか。いや実は、今日は弁当持ってきたんだ」

「・・・べべべ弁当って?誰がつくったの!彼女居ないんだよね!?」
「ぅわ?!」


退がグワッと自分に身を乗り出してきた。おいおーい、今日は熱いな君。
退の勘違いに笑いながら否定する。


「はははっ違うよ。勿論、自分でつくりましたとも!」

「そうか…。あ、じゃあ誰かにつくってきたとか?」


おいおーい、誰かにお弁当つくるって、自分はどこの乙女ちゃんだ。もしかして、退は好きな子がいたら弁当作ってあげるの?君はどこの乙女ちゃんなんだ。


「それもない。気まぐれで自分の分だけつくってきただけなんだよ?そりゃ、誰かつくった弁当のが食べたかったけどさ」

「・・・・・・・」


え、何で無言?真意を探ってるの?本心なんだけど。
本気で独身の自分が手作りで持ってきたんだけど。


アレ?なんかこの言い回しさびしい奴みたいだね。
なんでかな。
女性がやると普通に見えるのに、男の自分では彼女居なくて寂しい奴みたいだね。


あ、いまソレで見られてるのか!?な、なんてこった!待ってくれ違うんだ!


「ぁ、俺副長の所に行かなきゃ。ちょっと行って来る」

「っ、自分は寂しい奴なんかじゃないよ?うん。たしかに、まだ独身だし女っ気も匂わないけど、けして寂しくなんて・・・あれ退?・・・もう行っちゃったのか」


いつもは副長が怖いからって渋っているのに・・・。

やはり、今日の退は熱いな!


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