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銀色世界で二人三脚
幼馴染と・・・


「進後っ!久し振りね!」


目の前から、手を振りながら駆け足でコチラに向かってくる、オカマがいる。

(女性にしては、背がありすぎるだろ・・・ガタイ良すぎだしな。声もまんまじゃねぇかよ。いや分かりやすくしてくれてるのかも)


とりあえず、確認というのは大事だ。


「…お前八ヱ門?」

「やだぁ、あたしのことは[お八]って呼んでよー進後ちゃん!」


しなりとまるで女の仕草。

(なんかガキの頃の自分を見てるみたいだ・・。進後ちゃんって何?呼ばれたことないよ)

しかし、聞いて、見るほど・・・幼馴染そのもの。なのに、女の子らしさが見て取れる。
彼は、男くさい!と言える男らしさを兼ね備えていたはずだけど、いったいどうして隠せるのか?不思議だ。


「うん、熱血的な声は変わってない。八ヱ門だわ」

「信じてくれた?で、どう?どうよ!あたし似合ってると思わない?」


本当にいつのまにか幼馴染がオカマになっていた。うん、でも、自分のせいじゃないよね?


「えーと、八ヱ門・・・本当にオカマになっていたのか」

「お八でいいのに。・・・・進後悪いな。俺はマジだ」


こちらに合わせる気になったのか、シャキ!と男になった。
いや元から彼は、男くさい!と言える男らしさを兼ね備えているけど。


「うん、白昼堂々オカマの格好できるなら、マジなんでしょうねぇ。それより質問イイ?」
「お前の所為じゃないからな」


即答された。さすが幼馴染だ。


「…ほんとう?」

「俺のは、戦争の代償・・みたいなもんさ。情けない顔するなよ」


再度聞くと、ペシっとデコを叩かれる。本当に自分の所為じゃないらしい。


「そか…。ははっそれが聞けて安心した!手紙もらってから、眠れなかったよ」

「そうだと思った」


安心して、改めて女の格好をしている幼馴染を見る。


「八ちゃん、似合ってんじゃん!ハスキーボイスの美人だわー」

「本当に!?進後ちゃんが言ってくれて、八うれしい!」

「背が自分より高くなきゃ、もっと可愛かっただろーになぁ・・・・」


(お前近藤局長と同じ背の高さとか・・・・高すぎる)


「そこんとこは、どうしようもないのよ・・・」


コイツ自覚してた。


その後、茶屋に入りオカマバーの場所とか真選組のこととか、違和感なく話すことができた。


八ヱ門はこれから仕事だというが、自分は帰ることにした。


「じゃ、木曜に店で会いましょう」


帰りがけに「お八」の名刺を渡された。八ヱ門限定の口の悪さが全面的に出る。


「おいコラ。名刺は貰うけどその台詞はなんだよ?通えってか?」

「八に電話してくれたら、別の曜日でも大丈夫!週一でお願いねーん」


(何が大丈夫?投げキッスすんな!!)


「下っ端の俺が通えるかよ!おいオカマ!!」


タカタカと小走りで行ってしまった・・・。いや追いかけるのも面倒くさかったんだ・・・。

名刺を見て唸る。


「はぁ。俺の給料がアイツの給料になるだけじゃん。ゴツイオネエ達のところへ行くのもなぁ・・・」


(でも、オカマになっても八ヱ門は八ヱ門だったなぁ)


ぐぅーー・・とお腹がなる。もう夕飯時か。


口元が緩む。


「…うーん、定食が食べられるなら、考えないこともないなぁ」


お酒だけだと、凄い金額になりそうだから。


「…ははっ電話で聞いてみようかなー?」

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あきゅろす。
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