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流竜神話
今は違う思い


「だが…、キク。お前の場合、その辺は微妙だろう」

そう、二人の契約内容は一般路線から少しばかりずれているのだ。

果たして流雫を本当に認めてこの式神はついて来ているのかと問われれば、流雫は自信をもった首肯が出来ない。

流雫自身はそうであって欲しいと過去に幾度となく願ったのだが、結局はっきりと認めるとは言われないまま時は過ぎてしまった。

何せ、一応式神と主人という主従関係であるはずの二人の会話がこれだ。

その分、他の式神や式よりも随分と親しき仲となったのだが、それと認めるのとはまた別の話であるわけで。

「…む…う……」

そんなことを考えているであろう流雫を見やって、式神は押し黙った。

確かにそうだ。いや、そうだった。

主人と認める云々どころの話じゃない。
何故、しっかりとした神留者でもない、しかもこんな子供に…―――と。

何度思ったか知れない。


つまりは、彼を軽蔑していたのだ。

あの御方に、流雫に憑けと言われ、心中に渦巻く百万語を抑えながら、仕方なく付いた。

ただ、それだけだった。

―――だけど。

式神は口を開きかけた。


だけど、今は……―――



「……………ん?」


はらり、と。

式神の心が音になる直前。

それは蒼茫たる空から唐突に、流雫の目の前に降ってきた。





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あきゅろす。
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