桜界逸史
移動手段『嵐』
重機無しの争いは、とにかく移動手段が鍵を握る。
摂陸は設定された武器の装備場所を確認してから、さっそく『ストーム』にまたがって、エンジンをかけた。
ストームとは、搭乗人数制限2人の高機能性オートバイの愛称である。
オートバイといっても、ストームにはタイヤが存在せず、地面からの磁場を利用して浮遊走行する。
このため、バランスを崩しても横転しにくく、誰でも少し練習すれば乗ることが出来るという優れ物だ。
最高時速は200`。
約20bの高さまで浮かび上がることができる。
周りを見ると、先陣隊は全員が摂陸と同じようにしていた。
「おい」
「おぅ」
海神の声かけに摂陸は頷く。
「いつでもいーぜ」
海神もその言葉に頷き返し、ストームにまたがった。
「第1班はAとB、第2班はCとDに別れろ、A、Bはそれぞれ東と西の支部だ。Cは南、これも支部! そして本部にはDと俺と摂陸が付く」
おそらく、空雉、弥泉も本部に付くだろう。
全体を見渡す機能は本部にしかない。
「状況は随時、無線連絡すること! その都度、俺か摂陸が指示を出す! 以上、行け!」
「「「了解!」」」
きれいに揃った掛け声と同時に、それぞれが、それぞれの目的の場所へと向かう。
キュオォォォォ――ッッ
ストームのエンジン音が鋭く辺りに鳴り響いた。
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