[携帯モード] [URL送信]

桜界逸史
移動手段『嵐』



重機無しの争いは、とにかく移動手段が鍵を握る。

摂陸は設定された武器の装備場所を確認してから、さっそく『ストーム』にまたがって、エンジンをかけた。

ストームとは、搭乗人数制限2人の高機能性オートバイの愛称である。

オートバイといっても、ストームにはタイヤが存在せず、地面からの磁場を利用して浮遊走行する。

このため、バランスを崩しても横転しにくく、誰でも少し練習すれば乗ることが出来るという優れ物だ。

最高時速は200`。
約20bの高さまで浮かび上がることができる。


周りを見ると、先陣隊は全員が摂陸と同じようにしていた。

「おい」

「おぅ」

海神の声かけに摂陸は頷く。

「いつでもいーぜ」

海神もその言葉に頷き返し、ストームにまたがった。

「第1班はAとB、第2班はCとDに別れろ、A、Bはそれぞれ東と西の支部だ。Cは南、これも支部! そして本部にはDと俺と摂陸が付く」

おそらく、空雉、弥泉も本部に付くだろう。
全体を見渡す機能は本部にしかない。

「状況は随時、無線連絡すること! その都度、俺か摂陸が指示を出す! 以上、行け!」

「「「了解!」」」

きれいに揃った掛け声と同時に、それぞれが、それぞれの目的の場所へと向かう。

キュオォォォォ――ッッ

ストームのエンジン音が鋭く辺りに鳴り響いた。





[*前へ][次へ#]

15/16ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!