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桜界逸史
海神の提案


「以上が、今日の全体の班ごとの練習メニューだ。明後日に出動を控えている軍隊は、特に厳しくやっとけ。自主練にした意味を考えろよ」

そう言って、銀のキセルをくるくる回しながら、志國は話を畳んだ。

「今日はどこかで晴れないかい、海神」

「いや、一日中雨だ」

空雉の言葉に冷静に即答しながら、海神は朝礼が行われていた広間を出た。

隊員の再召集は、一時間半後だ。
その間に、朝ごはんを食べたり、各自で少しだけ自由な時間を過ごす。

いつもならば、朝礼は屋外で行うのだが、例によって今は雨だ。
この頃は室内での朝礼が増えた。

「マジかよ〜、自主連のメニューどーすっかなぁ」

「雨だとやること限られるからねぇ。梅雨明けはいつになるんだろ」

今年は梅雨明けが異様に遅い。
もう7月の中旬だというのにこの天気だ。
気分が乗らないのも仕方がないというものだろう

何をするか悩みながら食堂へ向かう。

本来ならば月の初めに練習メニューが決めてあるのだが、今回のように急な依頼が入ったとなると話は別だ。

訓練内容を実践向けにするため、訓練予定は変更され毎朝の朝礼時に決定された練習メニューを告げられる。

今回の自主練は、個人個人が好きなことをやっていいという意味合いの自主練ではない。

結局は誰が練習メニューを組み立てるかが、変わるだけだ。

そして、もちろんのことその役目は班長である摂陸たちになる。

とりあえず、二日後に向けての一番良い練習メニューか…飯食ってる間に考えねぇとな

すると、食堂の入り口が見えてきたところで、海神が腕を組んで言った。

「もし…、まだ自主連の内容が決まっていなかったらでいいんだが……組み手をしないか?一班、二班、四班の合同練習として、やればいい。全部出動する班だし、シュミレーションとして…」

同意を求めるように、こっちに目線を送る海神に空雉と摂陸は頷いた。

「いいね、その案。乗った」

「組み手なら天気なんかカンケーねぇしな。出動間近の班に優先権あるし、いいんじゃね?」

組み手なら、屋根付きの競技場でできる。

海神の案に素早く乗った二人は、すぐにルールの構成を考えだした。





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あきゅろす。
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