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★くだらない話。★
28歳。
ひとりになって
もう一度
あなたに 恋をしました。

まだ あなたが私に
気が付かないでいた頃

あなたと一緒の電車に乗り合わせ,
あなたがおりた後の席に,
こっそり座りました。

夕暮れのやさしい西陽に変わる,
瞬く時間。

あなたの見ていた景色の
続きを見ながら,
いないはずのあなたを,
いつもよりも,近く,
恋しく感じました。


知っていましたか?

あなたが私に
桜の木の下で恋を
打ち明けてくれるよりも,
ずっと前から,
私はあなたを想っていたのです。

あれから,
何年が経ったのでしょうね?

あなたが逝なくなった今,
あなたのいない,
2人ですごした
家の中は,

あなたへの愛おしさで
溢れています。

こうして,
もう一度,私はあなたに
恋をしたのです。


大好きだった
おばあちゃんは,
こんな手紙を残して,
大好きな
おじいちゃんの待つ
天国に旅立ちました。

天国に桜があるのなら,
きっと
おじいちゃんも,もう一度

大好きなおばあちゃんに
恋を打ち明けるだろうと
春の桜を見上げながら
思いました。

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あきゅろす。
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