短編
4
近付くにつれて、シャワーの音が聞こえてくる。
絶対にここだ。
俺は浴室の扉を開けた。
「おい、舞輝!?」
舞輝は浴槽に寄り掛かり、座り込んでいた。
手首からは、大量の血が出ていて、その血が、頭上から全身にかけて流れるシャワーのお湯で流れ、浴室の床は血に染まっていた。
「舞輝!!おい、しっかりしろッ!!舞輝!!!!」
俺はシャワーを止め、バスタオルを舞輝にかける。
「っ!?」
その身体は冷えきっていた。
「手当てしねぇと!!」
俺は急いで救急箱を持ってきて、手首の手当てをする。
何度もこんな――といっても今ほど酷くはなかったが、場面に出くわすことがあった俺は、救急箱の場所も手当の仕方も完璧にしていた。
「舞輝…」
服を着せた舞輝をベッドに運び、あとは舞輝が目を覚ますのを待つだけだった。
「っ…」
「舞輝!?」
裕介SIDE終
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