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短編


近付くにつれて、シャワーの音が聞こえてくる。


絶対にここだ。


俺は浴室の扉を開けた。




「おい、舞輝!?」




舞輝は浴槽に寄り掛かり、座り込んでいた。


手首からは、大量の血が出ていて、その血が、頭上から全身にかけて流れるシャワーのお湯で流れ、浴室の床は血に染まっていた。



「舞輝!!おい、しっかりしろッ!!舞輝!!!!」



俺はシャワーを止め、バスタオルを舞輝にかける。



「っ!?」



その身体は冷えきっていた。



「手当てしねぇと!!」




俺は急いで救急箱を持ってきて、手首の手当てをする。



何度もこんな――といっても今ほど酷くはなかったが、場面に出くわすことがあった俺は、救急箱の場所も手当の仕方も完璧にしていた。



「舞輝…」



服を着せた舞輝をベッドに運び、あとは舞輝が目を覚ますのを待つだけだった。



「っ…」


「舞輝!?」



裕介SIDE終


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