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短編


突然教室に現れた葉山という男に、俺は腕を引かれている。


離されたのは屋上に着いてからだった。


何故屋上?


俺を連れてきた人物に目をやると、そいつ、葉山は俯いていた。



「葉山?」



どうしたのかと、覗き込む。
見えた表情は辛そうだった。





「――よ…」


「え?」





葉山が何かを呟いたが、聞こえず俺は聞き返した。


「名前で呼んでくれよ!!今までみたいに幸咲って、呼んでくれよ…」



切羽詰まったように、叫んだ葉山。



「こうさく?」


「…っ」



葉山の言った通りに名前を呼ぶと、傷ついたような表情をした。



「建斗っ…」



自分が呼ばれたと同時に、抱きしめられる。



何となく、懐かしいような気がした。



「こうさく?」


「ごめんっ…本当ごめん…ッッ…」



そして、何故か謝ってくる。



「お、おい」



俺は戸惑った。



どうして謝ってくるのだろうか。



俺にはわからなかった。



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あきゅろす。
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