[携帯モード] [URL送信]

短編



「建斗」


「俺のこと知ってんのか?」


「…っ……」



黙った俺に、建斗は興味を無くしたのか、本を読み始めてしまった。



俺は焦る。


コイツとはもう他人なのか?


恋人には戻れないのか?




「ただ…」



ぽつりと御子柴が呟いた。



「君の、その…」


「なんだ?」



言いづらそうな御子柴に、先を促す。


建斗は既に自分の世界に入っていて聞こえていない。



「う、浮気を、見る度に…建斗は『あれは知らない人だ。俺には関係ない事だ』って自分に言い聞かせるように言ってたんだ…」


「っ!?」




知らない人…。


関係ない……。



それで、俺を忘れたのか?


建斗は俺を忘れたかったのか?




「ちょっと来い!!」



俺は本に集中してる建斗の腕を掴み、教室を出た。



「ちょ、は、葉山??」


「――チッ」




俺のことを葉山と呼ぶ建斗にムカついた。



.

[*前へ][次へ#]

7/11ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!