短編
6
葉山SIDE
最近、建斗を見ない。
メールで家に呼んでも、来ることはおろか返信すらない。
どうしてだ?
ふと、建斗の横にいた可愛い男を思い出す。
もしかして、あいつが原因か?
気になった俺は、建斗のクラスへ向かった。
教室に着き、建斗を探す。
建斗は席であの男としゃべっていた。
「建斗」
冷静を装って、建斗を呼ぶ。
「葉山……」
俺に反応し、名前を呟いたのは建斗ではなく、隣にいた男だった。
「この男が葉山ってゆーのか」
「何…、言ってん、だ?」
建斗の言葉は、まるで俺を知らないみたいな言い方だった。
「何って、俺とお前は初対面だろ?」
「………」
建斗は本気だ。
本当に俺を知らないんだ。
「おい、そこの奴」
「っ!?な、何?」
「コイツに何をした?」
俺は隣にいた男――御子柴を睨んだ。
「ぼ、僕は何も」
どうやら御子柴は関係ないらしい。
なら、どうして…。
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