短編
4
「俺達も帰ろう」
隣にいる美少年に引っ張られる幸咲を見ながら、翔に言った。
「うん」
翔が頷いたのを確認し、俺は歩き出した。
それから数日後のこと。
「建斗、最近どう?」
「何が?」
翔の聞いていることが、なんの事だかわからなかった俺はそう聞き返した。
「えっ!?」
翔は驚いたような声を出す。
「だから何さ」
「葉山の事だよ」
「はやま?誰だ?」
俺の言葉に、翔は目を見開いた。
「葉山幸咲」
「……?」
「え?本気で言ってるの?」
「本気も何も、俺は葉山なんて奴知らないけど」
葉山こうさく?
何となく聞いた事のある名前だったが、俺はそんな名前の奴と関わったことはない。
「え、ああ、そう……」
知らないと言うと、翔は黙ってしまった。
……?
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