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短編



「建斗…あれ」

「何?」



友達の御子柴翔と歩いていると、翔がどこかを指差した。



「…うん」




指の先には…確か俺の恋人、幸咲の姿が。



「え?それだけ?」



他に何を言えばいいんだ。

関係ないのに…



「………」



何も言わない俺に、翔は眉を寄せた。



俺には関係ないと思っている反面、どこかで信じているんだ。



幸咲は戻ってきてくれると。



だから、今、幸咲を見て悲しく思えていたんだ。



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