短編
3
春輝はきっと、俺に嫉妬して欲しいんだ。
『春…輝……?』
仕方ない。
悲しいって思ってあげよう。
「祐一!?」
春輝は驚いた表情をした。
まさか俺に見られていたなんて。という表情。
知っていたくせに。
『最低だ…』
「違う!!これは…ごめん…もうしないから」
『…うん』
春輝が俺を抱きしめた。
物分かりのいい奴を演じてあげよう。
「帰ろ」
『うん』
それから春輝は何度も浮気を繰り返した。
「もうしないから」
俺に問い詰められれば決まってそう言う。
最近じゃあ、浮気現場を目撃しても無視してる。
そろそろ、ムカついてきたな〜。
得に興味のない相手だからといって、浮気されるのは癪に障る。
『快、おいで』
「祐どうしたの?」
俺は自分の膝の上に、向かい合うように快をのせた。
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