夢の後
わたしのこと好きでいてくれたあなた
みんなでごはんを食べているときも
わたしだけを見てくれていた
二人はずっと一緒だった
泣いているときには
静かに歩み寄って抱きしめてくれた
頬を寄せてやさしくなぐさめてくれた
涙で滲んだ視界に
あなたが腕を広げて現れたときは
どれだけ嬉しくて安心したことか
ずっと抱きしめていてくれた
暖かい体温
ありがとう、もう大丈夫だから
って言った瞬間
颯爽と離れていって
追い付けない
その後ろ姿には
何もなかった
わたしに対する気持ちなど何も
わたしは一人で帰った
バイクで送ってくれる約束も
そうだ
全部ただのお芝居だった
きっともう二度と
二人は会わないだろう
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