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始まりの音




いつもうたってた唄が
うたえなくなった



始まりの音を忘れた小鳥は
何度うたってもうまくいかずに
ひたすら自分に問い続けた


『どうしてうたえないの』



うたうことを望んで
そんな自分が誇らしくて
喜びで満ちていたはずなのに

努力は頭を抱えさせ
失敗は耳を塞がせた



沈黙の夜をいくつも越えて
やっと気付いた

涙の残った顔を上げて
耳を塞いだ両手を離した



耳を澄ませば
ほら
いつだって鳴り響いてた
始まりの音が聞こえる





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