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雪に咲く花
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休日が終わりに近づき、歩ともいよいよお別れだ。
このままずっと一緒にいられたら……。
「颯人さん、少し余裕を持って帰った方がいいよ」
「そんな、急ぐことねえよ。まだ時間あるし」
「駄目だよ。また、何かあって門限に送れたら外出許可がおりなくなっちゃうんでしょう。そしたら、また颯人さんに会う時間が減っちゃうから……」
歩が涙ぐむ。
ああ、外出禁止になったとき、歩の方も寂しかったんだな。
「分かったよ。この次の休日に、また会おうな」
「うん、待ってるから」
未練を残しながら、俺は再び寮へと戻って行った。

寮に戻ると一気に寂しさが押し寄せる。
「楽しい時間はすぐに終わっちまうもんだな。あっ、そうだ!」
帰り際に、歩が何か渡してくれたんだ。
俺は青いリボンが結んである巾着形の包みを、ポケットから取り出した。
「見つかったら面倒なことになるからな」
部屋を出て人気のない所にいくと、包みを開けた。
なんと、手作りのハートの形をしたチョコケーキが入っていたんだ。
更にそのうえにデコペンで『Fight』という文字と、月と星のニコニコマークのようなものが描かれれている。
「さすがは歩だな」
感心していると、メッセージカードが入っているのに気づいた。


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