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雪に咲く花
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雪斗達には悪いが、俺はひとつだけ、あいつらより恵まれていることに気づいた。
歩の身体は誰にも汚されておらず、初めては俺だということだ。
夜の楽しみを思う存分楽しめる雪斗と亘兄をずっと羨ましいと思ってきたが、雪斗は深い傷を抱えていたんだよな。
あの二人には、その分必要な幸せだったんだ。
お互い、それぞれに障害があり、幸せの形がある。
まあ、俺も警察学校を卒業すれば、歩と心おきなく会えるわけだ。
いつかは、あの二人のように、歩と一緒に暮らしたいぜ。
駆け出しの俺には、まだまだ先の話になりそうだけどな。

翌日、雪斗と亘兄のマンションに歩と一緒に訪ねた。
二人の間には色々とあったが、今は幸せそうで安心したぜ。
幼い顔立ちなのは変わらないが、雪斗も何だか一段と大人びてきたような気がする。
「あと何ヵ月かしたら颯人の警官姿が見れるんだな」
「うん、颯人だったら悪いやつも怖がって逃げちゃうよ」
雪斗は可愛い顔して、相変わらず毒舌だ。
全く、こいつの言葉は誉めてるのか貶しているのか分かりゃしねえ。


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あきゅろす。
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