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雪に咲く花 ページ:4 「そうだよね。何か気になっちゃったから……」 歩が俺を心配してくれている。 俺は、なんて幸せなやつなんだ。 「あっ!実は颯人さん」 「どうした?」 「今日、家に誰もいないんだ。家族で親戚の家に泊まり掛けで行ってるから、よかったら家に泊まりに来ない?」 「いいのか!?」 おおっ! 今日はなんとラッキーな日なんだ! 切り詰めてホテルにでも誘おうと思ってたけど、お陰で節約出来るぜ。 こんなチャンスは滅多にないことだからな。 「今夜はご馳走をふるまうよ。買い物付き合ってくれる?」 ス―パーで買い物を済ませた後、歩の家に向かうことになった。 「久しぶりだな。ここも」 いつもは家に遊びに来ても、誰かしら歩の家族がいたのだが、今日は二人きりだ。 年に一、二度はこういうチャンスがある。 たまたま、今日は大当たりしたな。 「さて、夕食の準備を始めようかな?颯人さんはテレビでも見て待ってて」 「いや、俺も手伝うぜ」 「そんな!……いいよ。せっかくのお休みなんだし……」 「俺の方が一緒にやりたいんだよ」 俺は一分でも長く歩の近くにいたいんだ。 また、休日が終われば暫く会えなくなるからな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |