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雪に咲く花
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さて、愚痴はこのくらいにしておこう。
今から俺は、愛しい歩に会いに行くところだ。
前回会えなかった分も二人で楽しみたい。
土日に外出許可がおりるから、いつもは施設で泊めてもらうんだが、バイトで稼いだ金でホテルにでも誘おうじゃないか。
「また懐が寂しくなるな。あいつらは本当に恵まれてるよな」
財布の中をのぞいてため息をつく。
こんなときは、やっぱり雪斗と亘兄が羨ましく感じる。
あの二人は、去年のクリスマスイヴから同棲を始めたんだ。
二人の間には、色々と事件があって苦労が多かったが、今は無事に仲睦まじく過ごしている。
もともと亘兄は一人暮らしだったから、夜の時間は楽しみ放題だったんだよな。
何ヵ月かお邪魔虫な小悪魔が居座っていた時期もあったが……。
まあ、その話はおいておこう。

駅の噴水の前に、ずっと会いたかったやつがいた。
「颯人さん!」
歩は俺に気がつくと、手を振りながら近付いてきた。
「歩!やっと会えたな」
感動の再会に思わずハグしてしまう。
「颯人さん。こんなところで……」
歩が可愛い顔を赤らめた。


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