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雪に咲く花
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雪斗は黒崎とともに、以前連れて来られた喫茶店に来ていた。
「今日は君のアイデアが採用されたお祝いをしようと思ってね。話したいこともあるし」
「でも、俺のはユ―モア賞で最優秀賞の人に比べたら……。たくさん応募したのにな」
「まあ、始めから欲張っても仕方ないさ。上には上がいる。入賞出来ただけでも充分と思わなきゃ」
以前、黒崎から勧められたソフト開発製品のアイデアに、雪斗は応募して入賞したのだ。
もっとも、ユ―モア賞だったので、優秀作に比べればランクは数段下がるものだが……。
雪斗の考えたアイデアは『おしゃべりちょきんくん』と名前のつけられた貯金箱だ。
貯金箱に目標を設定出来るようにして、硬貨の出し入れをする度に貯金箱が話をするというものである。
例えば、入金すると、
『〇円ゲット!あと〇〇円で目標達成!』
貯金箱から金を出すと、
『残念!〇〇円減っちゃった!無駄遣いしないようにね』
というように、貯金箱が喋る仕組みになっているというアイデアだ。
「ただ貯金箱にお金を入れていくだけじゃつまらないから、こんなのあったらいいなと思ったんです。中からお金出して、いちいち数えなくてもいいし」
雪斗が楽しそうに説明をする。

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あきゅろす。
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