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雪に咲く花
ページ:8
「何だ、男かよ。まあ、いいや。君、その辺にいる女より可愛い顔してるし、俺達は構わないぜ。なっ、一緒に遊ぼうぜ」
男の一人が肩に手を回し、もう一人が顎を掴む。
「真っ白で可愛い顔だな。食べちゃいたいくらいだ」
男が雪斗の顔をのぞきこんで舌なめずりをする。
その顔の不気味さに、身体が震えだした。
「やだっ!……お願い、助けて……」
ずっと忘れていた過去の恐怖を思いだし、心臓の鼓動が速くなる。
「そんなに怖がらないでよ。優しくするからさ」
宥める声が気持ち悪さを感じ、息苦しさは増すばかりだ。
「やっ!怖い……亘、助けて!」
思わず、届くはずのない亘の名前を力なく口にする。
「あのっ?……」
助けを求めた声が通じたかのように、誰かの声がした。
「僕の弟に何かあったんでしょうか?」
その声は、どこかで聞いたことのあるような気がする。
男達とともに、声の主の方を振り向く。
思いがけず、そこにいたのは黒崎だったのだ。
「黒崎さん!……」
「弟は持病があって、人に伝染する危険性もあるんです。すぐに離れた方がいいですよ」
「まじかよ!?やべぇ触っちまったよ」
「早く言えよな」
黒崎のでまかせにより、男達が慌てて雪斗を離して去っていった。


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