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雪に咲く花
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悠希が着替えていると、亘に声をかけられた。
「悠希君は今日アルバイトだったんだよな。残念だ」
「えっ!今日は何かあるの?」
疑問に思って訊き返す。
「雪斗君て覚えてないか?前に俺と恋人同士だったって言い張ってた子」
「えっ!あの子?覚えているけどどうして?」
突然、雪斗の名前を出され不安になる。
まさか、何かを思い出してしまったのだろうか?
「彼が、これから家に来るんだが、悠希君とも同じ年だし仲良く出来たらいいなと思ったんだけどな」
「嘘!?あの子来るの?どうしてまた?……」
ますます、不安になり動揺を隠せない。
「この前、颯人の送別会の時に、一緒に演劇をやった話はしたね。雪斗君は颯人の友達でもあるし、話してみれば楽しいところもあるんだ。颯人の希望もあって彼とも仲良くしていこうと思ったんだよ。空白の時間に何があったのかも分かるかも知れないしね」
亘から雪斗の記憶が消えて、やっと自分に近づいたと思ったのに、ここに訪ねて来るという。
彼は、また雪斗に近づこうとしているのだ。
そんなの絶対嫌だ。
なんとかしなければ……。
「亘さん、実は雪斗君のことで話してなかったことがあるんだけど……」
悠希は、ふと思い付いたのだ。



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あきゅろす。
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