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雪に咲く花
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雪斗は、颯人の送別会から、亘に対しての思いも前向きに変わっていた。
あの日、亘は家に遊びに来てもいいと言ったのだ。
颯人は送別会から数日後、警察学校に入校したのである。
1ヶ月ほどは外出禁止ということなので、暫くは会うことが出来ない。
今日は、亘が雪斗の記憶をなくしてから、初めて一人で彼のもとを訪れるのだ。
出会った頃と同じ条件で、亘と接していかなければいけない。
「雪斗、近頃、ご機嫌じゃない。もしかして亘先生の記憶が戻ったの?」
明るさを取り戻した雪斗を見て、美紅が尋ねた。
「いや、まだ戻ってはないけど、亘のこと信じてスタートから始めようと思っているんだ」
「そう。やっぱり、雪斗は亘先生を信じることに決めたのね。良かったわ」
美紅が、安心したように笑う。
「姉ちゃん、今日夕飯いらないから」
「わかったわ。亘先生と食事をしてくるつもりなのね」
「まあね」
「楽しんでらっしゃいね」
美紅に見送られながら、亘のもとを目指した。
「さて、とりあえず、今日は手料理でもしようかな。亘の好きな蓮根のはさみ揚げと、だし巻き卵でも作ろうっと」
胸を躍らせながら、スーパーに寄り、買い物をすることにした。


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