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雪に咲く花
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ベッドに眠っている王子様を短剣で刺してしまえば、人魚姫は海に戻れるのです。
でも、出来なければ死んでしまいます。
王子様を愛するあまり、人魚姫は短剣をふりおろすことが出来ませんでした。
「さよなら、王子様」
人魚姫は自分が消える決意をし、涙を流しました。
涙の粒が、王子様の頬に落ちた瞬間、なんと王子様は目を覚ましたのです。
そして、王子様は人魚姫に言いました。
「僕を助けてくれたのはあなたですね。今、やっと思い出しました」
なんと、王子様は、人魚姫が助けてくれたという記憶をなくしていたのです。
その時、人魚姫は光に包まれ、失ったはずの美しい声を出して言ったのです。
「ああ、王子様、やっと気づいてくれたのですね」
人魚姫と王子様は、熱いキスを交わしました。
王子様を思う人魚姫の強い思いが王子様に通じたのでしょう。
そのあと、二人は結婚して、幸せに暮らしました。

めでたし、めでたし

子供たちの歓声に包まれ、演劇は無事に幕を閉じたのだ。
雪斗が演じる人魚姫の、お笑いのような人魚の衣装から、ドレスを纏った人間に変身した姿は美しく映り、亘の演じる王子様とともに絵になっている。
物語のラストシーンは、雪斗の願望と一致するのだ。


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あきゅろす。
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