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雪に咲く花
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「あはははっ!傑作だな。その格好……」
亘に言われ、鏡を見た雪斗は、あまりの自分の不恰好な姿に唖然とする。
はっきり言って人魚姫というより、お笑い芸人のようなのだ。
「颯人のやつっ!文句言って来る」
噂をすれば、衣装に着替えた颯人も顔を出した。
なんと、颯人は隣の国の王女様の役なので女装している。
しかし、強面の颯人には、その姿が、どう見ても、怖い不気味なオカマそのものにしか見えない。
雪斗も亘も、同時に笑いだしてしまう。
「なんだよ!これでも、頑張ってメイクしたんだからな!雪斗こそチンドン屋みたいじゃないか」
「颯人が着ろって言ったんだろ!」
言い合いをしながらも、三人で笑いだす。
「なんか、コントになりそうだな」
「やめてくれよ!せっかく考えたロマンチックなシナリオを壊さないでくれ」
「颯人にロマンチックなんて合わないよ」
「なんだと!こいつめ、最後まで減らず口叩きやがって!」
「いい、漫才コンビだな」
じゃれあっている雪斗と颯人を見て、亘が笑い続けた。
和気あいあいとしながらも、演劇は開催したのだ。


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