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雪に咲く花
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「文章ですか?俺、苦手なんだよな」
文字を書くことも読むことも苦手な雪斗にとっては、難問だ。
「しかし、それが出来ないことには、せっかくのアイデアが伝わらないんだ。もし、募集する気があるのなら文章力も磨いておいたほうがいい。広報部に入っても文章力というのは武器になるんだからね」
「俺、やってみます。また、色々と教えて下さいね」
「悪いけど僕が教えられるのは、ここまでだ。あとは自分で考えるしかない。それじゃ、話も終わったし、そろそろ帰ろうか?」
説明が全て終わると、黒崎がいつものポーカーフェイスに戻り、伝票を持って立ち上がった。
「あっ!……それは……」
「いいよ。僕の方から誘ったんだし」
すたすたとレジまで歩いていってしまう。
「いいんですか?ご馳走様です」
支払いを済ませ外に出ると、雪斗は黒崎に尋ねた。
「あの、黒崎さん、どうして、今日あんな話してくれたんですか?いつも迷惑そうな顔してたのに……」
わずかな間があいてから黒崎が呟くように答えた。
「君は、僕の弟と被るところがあるんだ」
「弟さんと?」
黒崎は、これ以上は何も言わず歩き始める。


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