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雪に咲く花
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表通りに出ると、黒崎が手を離して雪斗の顔を見た。
涙のあとに気づいたのだ。
「また、誰かに絡まれでもしたのかい?」
「えっ!……別にそんなんじゃ……」
「ちょっと、時間あるかな?君に話があるんだ」
「時間はありますけど、俺に話って?……」
「とにかく行こう」
疑問に思いながら、黒崎とともに歩き始めた。

彼に連れて来られたのは、アンティークな造りをしたお洒落な喫茶店だった。
「やあ、いらっしゃい。おやっ!見慣れないお連れさんだな」
どうやら、黒崎の行き付けの店らしい。
「うちの新入社員なんだ。いつものやつ頼むよ。君はどうする?」
「あっ……。じゃあ、アイスカフェラテで」
注文した飲み物が届いた後に、黒崎が雪斗を見つめる。
「あのさ、噂に聞いたんだけど、今日、ミスをしたとかで叱られていたそうだね」
「えっ!?なんで知ってるんですか?」
まさかの自分の失態が、黒崎の耳に入っていたとは……。
「新入社員というのは目を光らされるものだからね。そういった情報は、すぐ耳に入ってくるんだよ。特に、広報部だと尚更ね」
黒崎が説明する。
しかし、仕事で何の関係もない彼が、いったい何を言いたいのだろうか?


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あきゅろす。
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