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雪に咲く花
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仕事にも身が入らず、細かいミスの連発をすることが多くなっている。
備品の注文を間違えたり、連絡事項を勘違いして伝えたり、上司や先輩に説教をくらってばかりだ。
「君は、総務部の仕事を馬鹿にしてるのかっ!?小さなミスは大きな問題を呼び起こすということが分かってないようだな。やる気がないのなら、いつでも、やめてもらって結構だよ。君より、仕事をこなせる人間は山ほどいるんだからね」
今日も上司に叱られ、落ち込んでいるところに直樹が声をかけてきた。
「雪斗、最近変だぜ。何か悩み事があるんじゃないか?今日は週末だし、ぱあっと飯でも食いにいこうぜ。相談にのるよ」
「ありがとう。いいね。行こう」

仕事が終わり、雪斗は直樹に指定された店まで目指していた。
帰り際に直樹が上司に呼び出されたため、先に一人で目的の場所に向かっていたのだ。
店の近くまで来ると、着メロが流れる。
「雪斗、悪いな。ちょっと大事な書類が行方不明になっちゃって、今探してるところなんだ。すまないが、飯はまた今度にしてくれ」
直樹からのキャンセルの連絡だったのである。
「つまんないの」
雪斗は気の抜けたように、とぼとぼと歩き始めた。



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あきゅろす。
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