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雪に咲く花
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それを亘はそんなことよりと言う。
このまま、悠希が亘のもとで住み続けることが、それより大切だというのだろうか?
「それとこれとは別だ。ただ、今は、お互いのためにこれからのことを話しておかなければいけないと思ったんだよ」
「もう、いいよ。勝手に二人で仲良く暮らせばいいだろ!俺、帰る」
雪斗が立ち上がり玄関へと向かった。
「おいっ!雪斗、最後まで話を聞いてくれよ!お前、誤解してるぞ」
亘が雪斗の腕を掴み、引き止めようとする。
「もう、何も聞きたくない。結局、悠希君に出ていってもらう気なんかなかったんじゃないか!」
雪斗は手を振り払い、バタンとドアを閉めて、出て行ってしまった。
「結論から話すべきだったな。まったく、あいつは早とちりなやつだ」
亘は、それ以上は追いかけず、ため息をつく。
亘が以前から考えて出した提案は、三人にとって、いい方向に持っていけると考えていたのだが、言葉が足りなくて誤解を招いてしまった。
タイミング悪く、悠希がオルゴールつきのフォトフレームを壊してしまったことで、大切なことを説明することが出来なかった。
「仕方ない。後でじっくりと説明するか」
とにかく、今は悠希とだけでも話をしようと考えた。


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あきゅろす。
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