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雪に咲く花
ページ:8
「どうしてこれがゴミ箱に捨ててあるのっ!?」
「あれっ!?これは、一体どういうことなんだ?」
手の中のものを見て、亘が不思議に思い、悠希が青くなって震え出す。
「まさか、君が!?……」
亘が悠希の方を見て尋ねた。
「ごめんなさい……。うっかり落としちゃって……。そしたら壊れちゃったんだ」
肩を震わす悠希に、雪斗が近づき胸ぐらを掴んだ。
「ひどいじゃないか!大事なものなのに!馬鹿!馬鹿!元に戻してくれよっ!」
亘の言葉による絶望と怒りも加わり、悠希の胸を拳で叩き続ける。
「やめろっ!」
亘が雪斗を引き剥がし、頬を叩いた。
「亘!……どうして?」
叩かれた衝撃を感じながら亘を見る。
「あっ!すまない、止めようとしてつい……。だけど、そんなことは後にして話の続きをしないか。俺達にとっても大事なことなんだし」
「そんなことって、これは俺達にとって大事なものじゃないのかよ!?悠希君の方がそんなに大事なんだ」
雪斗が、トラウマにより苦しんでいるときに、心を和らげてくれたメロディーが流れるフォトフレームは、無残な姿となっている。


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あきゅろす。
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