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雪に咲く花
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相変わらず、亘のもとを去ろうとしない悠希にたいして不満がたまっていた。
「亘兄とは、ちゃんと会えてるのか?」
「うん、取り敢えず日曜日だけは、外で会っているんだけどね。あいつがいるから家には行きたくないし……」
「気持ちは分かるけどよ、雪斗は今までが恵まれてたんだよな」
「えっ!……」
「だってそうだろ。俺と歩なんて家で二人きりなんてなれないんだぜ。歩んちは家族が多いし、俺んとこはガキどもがたくさんいるからな。楽しいことをしたくても〇〇〇に行くしかないんだよな。その点、雪斗達は好きなだけ家で会えるんだから羨ましかったぜ。それに警察学校に入ったら、なかなか歩とも会えないんだよな」
颯人の言うことはごもっともだ。
亘は一人暮らしだから、いつでも好きな時に会いにいくことが出来た。
「亘兄は真面目なやつだ。その悠希というやつと住んでいるからといっても、雪斗に対する気持ちは変わらないと思うぜ。とにかく信じてやるしかないんじゃね」
「そうだね。颯人達のことを考えれば、俺達恵まれてたんだよね」
「だからよ。会った時に二人の時間を楽しめばいいんだよ」
颯人に励まされ、苛立っていた心が晴れていく。


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あきゅろす。
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