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雪に咲く花
雪斗の生まれた日
「雪斗か。俺と似た名前だからまあいいかな。雪斗、兄ちゃんだぞ。よろしくな」
海斗が、赤ん坊に声をかける。
ずっと、もう一人の弟が出来たことにためらっていた美桜だったが、いざ産まれてくると不思議と姉弟愛が芽生えてくるのを感じる。
生まれて来なくていいなんて言ってごめんなさい。
心の中で謝った。
両親や兄弟姉妹にとって生涯忘れることのない大切な宝物が生まれた日である。
雪の降るなかで、家族に見守られながら誕生した雪斗の人生はここから始まったのだ。

美桜は雪斗の産まれた時の思い出を巡らせた後、姪っこを見て笑う弟を見つめた。
小さかった弟は、こんなにも大人になって、今は叔父という立場になっている。
甘えん坊で危なっかしいところもあったが、素直でまっすぐな子に育ってくれた。
自分の娘も、まっすぐで幸せな人生を歩けるように育って欲しいと願うばかりだ。
新しい命の誕生で、兄弟姉妹の絆は深まっていくように感じていた。


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あきゅろす。
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