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雪に咲く花
雪斗の生まれた日
翌日、父と美桜、海斗、美紅の4人で出産後の母のもとへ訪れていた。
ベビーベッドに、小さくて色白の赤ん坊が、すやすやと眠っている。
「可愛い。この子がわたし達の弟なのね。初めまして、お姉ちゃんですよ」
美桜が、顔をのぞきこむ。
「何か、猿みたいだな」
「もうっ!海斗ったら」
一緒に顔を見て呟いた海斗の頭をはたいた。
「ところで、まだ名前を決めてなかったのよね。色々、候補はあったんだけど、しっくりくるのがなくてね」
「だったら力(りき)にしようぜ。男らしくて格好いいだろ?」
「実は、わたし、この子の名前思いついたの」
母の言葉に、美桜と海斗が同時に提案を出した。
「まあ、美桜はどんな名前を考えてくれたのかしら?」
母の問いに美桜が答える。
「雪斗って名前どうかしら?昨日、雪が降った日に赤ちゃん産まれたでしょう」
「雪斗……。いい名前だわ」
「雪斗か。いいじゃないか。ぴったりだ」
両親が、顔をあわせて言った。
「海斗の考えてくれた名前も素敵だけど、お母さんは雪斗の方が赤ちゃんのイメージに合うように感じるわ。それに、海斗と響きが似てるから兄弟らしくていいと思うの」
母が海斗の方に顔を向ける。


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あきゅろす。
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