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雪に咲く花
雪斗の生まれた日
「ただいま」
家に帰ると出迎えてくれたのは海斗だったのだ。
「姉ちゃん、大変だよ。母ちゃん救急車で運ばれたんだ」
「えっ!?救急車って……お母さん具合悪いの?」
救急車と聞いて不安になる。
「母ちゃんが急にお腹が痛いって言っててさ、父ちゃんが救急車を呼んだんだ。産まれるって言ってて、ぞうさんのてんのう、だとか言ってたぞ。それ何だ?」
「あんたの言うことは何だか分からない。お母さんがどうしたのか、はっきりしてよ!ところで美紅は?」
美桜が苛立ち始める。
「隣のおばさんのところに行ってるよ」

噂をすれば、隣に住む女性が尋ねて来た。
彼女は、面倒見がよく親切なため、両親も、いざとなったときに頼りにしていたのだ。
「お母さんはね、赤ちゃんを産むために病院に行ったのよ。お父さんもお母さんのところに行っているから家にいらっしゃい。美紅ちゃんもいることだし」
どうやら、弟が生まれるらしい。
好意に甘えて、隣の家で待つことになった。
隣人の彼女は、クリスマスイヴだからとケーキとオードブルで、もてなしてくれた。
彼女の話によると、赤ん坊は、早産により帝王切開で母の腹から取り出すということ。
母が難産なために、大変苦しんでいるらしいのだ。



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あきゅろす。
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