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雪に咲く花
雪斗の生まれた日
美紅が生まれて一年以上たった頃、母が再び身籠った。
「お母さんね。また、赤ちゃんが出来たのよ。美紅にも弟か妹が出来るわね」
これ以上、兄弟はいらないけど、もし生まれて来るなら女の子がいい。
弟なら、要らない。
「この次も、絶対、妹でありますように」
毎日のように祈る美桜に対し、海斗は弟を欲しがっていた。
「俺、弟が欲しい。女だらけだからつまんないよ。弟が生まれたら一緒にサッカーをするんだ」
妹がいい、いや、弟がいいと、美桜と海斗が言い合っているうちに、母の腹にいる赤子の性別が明らかになった。
結果は……。
美桜の願いも空しく、男の子が生まれるということが分かったのだ。
「そんな……。また、弟だなんて……」
「やった、俺に弟が出来た。これから一緒に遊べるぞ」
美桜は落胆し、海斗は喜びのあまり、はしゃいでいる。
「美桜も海斗も、弟を可愛がってあげてね」
「まかしとけって!」
母の頼みに、海斗は喜んで引き受けたが、美桜は浮かない顔をする。
弟なんて、乱暴だし、わがままだし何もいいことなんてない。
生まれて来なくていいのに……。



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