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雪に咲く花
雪斗の生まれた日
「何だか、美紅や雪斗が生まれた時のことを思い出すわ」
「そういえばそうだな。よく覚えてるよ」
美桜も海斗も遠い記憶を頭に巡らせる。
「俺、どんなだった?可愛かったでしょ?」
雪斗が身をのり出す。
「わたしは覚えてないのよね」
美紅は物心がつかない時だったので、覚えているはずがない。

美桜の脳裏が、子供時代の思い出にタイムスリップしていく。

美桜が9歳の時、妹の美紅が産まれた。
ずっと、3つ年下の海斗と二人姉弟だったので、妹が出来た時は喜んだ。
弟が欲しかった海斗は、初めこそ、がっかりしていたが、次第に美紅の可愛さに心をのまれていったのだ。
美桜は、美紅が生まれて暫くは、友達と遊ぶのもそっちのけで、妹のお守りに夢中になっていたほどだ。
「海斗みたいな乱暴な弟より、わたしは美紅がいればいいわ。もう弟はいらない」
やんちゃだった海斗により、お気に入りの服を汚されたり、大切な宝物を壊されたり、好きなお菓子も海斗にすぐ食べられてしまうことから、弟はもうこりごりだと思ったのである。


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あきゅろす。
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