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雪に咲く花 ページ:1 ベビーベッドに、ややふっくらした赤ん坊がすやすやと眠っている。 姉の美桜が、無事に女の子を出産したのだ。 美桜の美と、夫である結人の一文字づつを取って美結(みゆ)と名付けられた。 雪斗と美紅、海斗は出産祝いも兼ねて、美桜の所へ遊びに来ていた。 「可愛い、肌がモチモチしてる」 雪斗が、美結の頬を撫でる。 「本当に可愛いわね。抱いてみていい?」 「大丈夫かしら。首がすわらないように頭を支えて抱くのよ」 美桜から許可をもらった美紅は、指示通り美結を抱き寄せた。 「あん……んん……」 美結が小さく声を出す。 「喜んでいるみたいよ。可愛い」 「次は俺だ」 「乱暴にしないでよ」 美桜が不安そうに見るなか、海斗が美紅から美結を受けとる。 「ベロベロバー!海斗おじちゃんだぞう」 「ぅん……あん……うあぁぁん」 美結が目を見開いたかと思えば、突然高い声をあげて泣き出してしまった。 「何だよ!?どうして泣いてるんだよ?」 戸惑う海斗から、美桜が美結を取り上げた。 「やっぱり、海斗だと恐いのね。この子も分かっているわ」 「どういう意味だよ?つまんねえな」 海斗が、ふてくされる。 [次へ#] [戻る] |