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雪に咲く花
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テレビのドラマで結婚を親に反対された男女が、駆け落ちするか、別れてしまうかで試練を与えられることがある。
今、自分たちがその試練を与えられているのだ。
今までは、自分たちの気持ちさえよければいいと思って過ごしてきた。
しかし、そのことで、義理とはいえ、親子の絆に亀裂が入ろうとしている。
亘は、いったいどのように答えをだすのだろうか?
厳しい選択を強いられ、雪斗は、ただ動揺するばかりだ。
そんな心配をよそに、亘が言葉を出した。
「僕は、お義父さんに反対されても雪斗と別れる気はありません」
「だったら、私たちとは縁を切る覚悟はあるというのかね?」
「いえ、お義父さんとも縁を切るつもりも全くありません」
「それはどういうことかね?雪斗君をとるのか、私達をとるのかはっきりしたまえ」
養父が厳しい顔になり、雪斗は不安を隠せない。
「雪斗も、お義父さんも、お義母さんも僕にとっては大切さを比べることなんて出来ません。お義父さんもお義母さんも、血の繋がりのない、まして前科持ちの母親の息子である僕を大切に育てて下さいました。雪斗のことで縁を切ると言われても、認めてくれるまで努力します。大切な人は誰も失いたくありませんから」


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