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雪に咲く花
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電車の窓から、山を背に田園が広く並んでいるのが見える。
「わぁっ!まさに田舎って感じだな……」
ごく普通に、住宅が並んだところで暮らしている雪斗には新鮮な風景だ。
雪斗は亘とともに、彼の養父母が暮らす実家に向かっていた。
「雪斗とは、これからもずっと一緒にいたい。だから、義両親たちにも、雪斗のことを、きちんと認めて貰いたいんだ」
雪斗が卒業休みに入り、旅行がてら義両親に会って欲しいと、亘が言い出したのだ。
雪斗も亘の話に承諾したものの、いざとなると不安と緊張でいっぱいになる。
「大丈夫かな?俺、まだ未成年だし、しかも男同士だし……」
「まあ、特殊な関係だからな。俺も分かってくれるかどうかは心配なんだ。でも、義両親には隠れてこそこそと付き合いたくはないんだよ。俺たち、そんな中途半端な関係じゃないんだから」
亘は、自分の全てを受け入れ育ててくれた恩ある養父母には、大切なことを話しておきたかったのだ。
雪斗の家族には、既に了承済みだ。
二人の関係を始めから打ち明けていた美紅は別として、美桜や海斗は衝撃を受け、暫くは考え込んでいたようだ。


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あきゅろす。
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