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雪に咲く花
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雪斗と亘は、ハートの中に入り、光輝くベンチに腰かけた。
「はい、行きますよ。はい、チーズ」
カップルの男性は、心よく引き受けてくれ、シャッターを押した。
「有り難うございました」
二人の幸せな笑顔が、カメラの中に収められる。
「それにしても、ボーイッシュな可愛い女の子だったよな」
「彼氏の方もイケメンね」
去り際にカップルが、話していた会話に、雪斗はガクッとする。
「俺は、男だっちゅうの」
亘は腹を抱えて笑っていた。

ドドォーン!!
遠くで、大きな音が聞こえる。
湖で花火が打ち上げられたのだ。
「わあっ!花火だ。早く行こうよ」
雪斗が、湖の方に走りだし、亘も後に続く。
光に囲まれながら、花火は、様々な形を開いていく。
「綺麗だなぁ!こんなの初めてだ」
「うん、冬に見る花火も最高だ」
最後の花を飾る花火が打ち上がった後、白いものが、ちらちらと、空から落ちてきた。
「あっ!雪だ」
「凍えるほど寒かったわけだな」
「ホワイトクリスマスだ。前にも雪が降ったよね」
優しくふる雪は、豪華な光の世界を、より美しく輝かせていった。

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