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雪に咲く花
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「チキショー!こんなときに……!どうしたらいいんだ!?」
颯人と男子生徒が、突然の事態に戸惑っているときだった。
「颯人さん、いったいどうしたんですか?」
偶然、通りがかった歩が、近づいてきたのだ。
「歩、いいところに来た。雪斗が何か変なんだよ!」
歩が、疼くまっている雪斗を見ると、しゃがみこみ顔を覗く。
雪斗は、苦しそうに呼吸をしているのだ。
「雪斗さん!大丈夫?倉田君、何かあったの?」
倉田と呼ばれた男子生徒は歩のクラスメートだったのである。
「俺、この人にぶつかっちゃって……、声をかけて、ちょっと触ったら、こんなんなっちゃって……どうしよう……」
倉田が蒼くなり、声を震わす。
「雪斗さん。大丈夫、大丈夫だから……」
歩が背中を擦り続けると苦しさがだんだんと和らいできた。
「ごめん……。俺、誰かに触られると訳分かんなくなっちゃって……」
ようやく、落ち着きを取り戻した雪斗を見て、颯人も、歩も、そして倉田も安心する。
「本当にごめんなさい」
倉田が再び謝罪をした。
「全くだ。気をつけろ!」
「君のせいじゃないから安心して……。この間から、こんなことは、度々あるから……」
雪斗の言葉に安心すると、倉田はこの場を去った。

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