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雪に咲く花
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「まさか、あの、地味ダサ眼鏡の黒沢が、イケメンの杉山と双子だったとはな。顔、見てみたかったぜ」
颯人の言葉で、あの日、思いがけない形で巡り合った双子の兄弟を思い出していた。
もし、光多が、黒沢叶多と、もっと早くに互いの存在を見つけることが出来たなら、あれほど皆が傷つくことはなかったのだろうか?
光多とも叶多とも、出会う形が違っていたら、よき友達になれていたかも知れないのに……。
何より、黒沢が、自分を見守り、支えてくれていたことを知って、礼すら言えなかったことが心残りだった。
「黒沢のやつ、カッコつけちゃってさ。友達になれると思っていたのに……」
星空を見上げる度に、黒沢からもらった流れ星の写真を思い出す。
「黒沢にいつかまた、会えますように」
雪斗が、呟いた瞬間、流れ星が光り、すぐに姿を消した。
「あっ……!流れ星だ」
流れ星に願い事をすると叶うという。
雪斗の願いを、流れ星が聞き入れたのかどうかは、誰にも分からなかった。

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