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雪に咲く花
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雪斗は、何日かぶりの学校に足を運んだ。
数日前に颯人も退院し、松葉杖で学校に通うことになったのだ。
雪斗を、いじめていた斉藤は、あの事件以来、学校から姿を消した。
その後、どうしているのかは分からない。
斉藤の取り巻きたちは、颯人が戻ってきたこともあり、大人しくなった。
「お前も、とんでもない奴と関わっちまったな。怪我さえしてなきゃボコボコにしてやりたかったぜ。まあ、もういなくなっちまったしな」
颯人は、雪斗と亘に起こった全てのいきさつを後で聞き、怒りを沸き上がらせていた。
「お前に何かするやついたら、痛い目にあわせてやるからよ」
「有り難う。やっぱり颯人は頼りになるなあ」
まだ全快ではないものの、颯人がいることで学校での空気が軽くなっていくのを感じる。

雪斗は、久しぶりに登校したときに、真っ先に駆けつけたい人物がいたのだ。
黒沢である。
しかし、彼が使っていた机と椅子は、誰も座ることなく、ぽつんと寂しく残っているだけだ。
話によると、黒沢の家で光多を引き取り、父親とともにこの町を去っていったという。


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