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雪に咲く花
(光多の過去)
その後、光多は母親と暮らしていたが、相変わらず彼女は子育てなどせず、食事も気が向いたときにしか与えられず、着るものも汚れたままのことが多かった。

ある日、母親に新しい恋人が出来、その男性が家に来ることが多くなった。
彼が家にいるときは、母は機嫌がいい。
男性の方も、光多に玩具を買ってくれるなど、可愛がってくれていた。
しかし、光多が子供らしい純粋な心を保てなくなるような出来事が起きたのだ。
ある日、母の愛人と家に二人きりになったときがあった。
彼は、一緒にお風呂に入ろうと光多を誘った。
しかし、入浴後、彼は身体中を触り始め、ついには、まだ幼い光多を犯したのだ。
優しかった彼が豹変したことに目の前が真っ暗になり、痛みと恐怖から、必死に助けを求めた。
暫くして、帰宅した母がその現場を目の当たりにすると、彼女は光多に近寄り殴り付けた。
「この、泥棒猫!恐ろしい子だね!」
男性の方から、その様な行為を強引にしてきたのに、母は一方的に自分を責めるだけだった。
この人は、自分の母親ではない、ただの、男狂いの女だ。
その日、絶望と悔しさで、ひとりで涙が枯れるまで泣いたのだ。


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