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雪に咲く花
(光多の過去)
思いがけない光多の豹変に、雪斗は頭が追い付かない。
目の前の少年は、ついさっきまで、一緒にゲームを楽しんでいた彼と同じ人物なのだろうか?
亘の母が、光多の心の母を殺したと言っていた。
彼の話によれば、亘の母親が殺したのは、光多の母親なのだろうか?
「今、頭の中が混乱してるって顔だね。いちから説明してあげる」
雪斗の心を察したように、光多は過去を語り始めた。
「福原亘、いや、あの時は野崎亘だったんだな。彼の母親が、殺した女性は、僕の母親の姉、つまり、僕の最愛の叔母だ」
「じゃあ、君のお母さんでは、なかったんだ」
「ああ、僕は写真でしか見たことないけど、実の母親より母親らしい顔をしてたんだ」

光多の実の母親は、男癖が悪く、子育てに向かない女性だったという。
子供を産んだ後も、姉、つまり亘の母、優子が殺した女性に子供達の面倒をまかせていたのだ。
姉のところには子供がおらず、光多達を自分の子供のように可愛いがっていたそうである。
それをいいことに、光多の母は、子供達の面倒を姉に押し付け、外に出歩いていたのだ。
光多の父親もまた、気の弱い性分から、妻のすることに口を出せずにいた。
しかし、事件は突然起きてしまった。

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あきゅろす。
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