http://mbbook.jp/19730125/
[携帯モード] [URL送信]

雪に咲く花
ページ:6
颯人の話によると、最近、雪斗が杉山光多と言う生徒と仲良くなったらしい。
しかし、颯人は、光多の顔が見覚えのあることに引っ掛かっていたのだ。
施設の仲間が、颯人の子供時代の集合写真を持ってきたらしい。
その写真の中に見つけてしまったのだ。
まだ、8歳だった幼い光多の姿を……。
光多は、一年ほど同じ施設にいたのだが、ある資産家が里親として現れ、施設を去ったのだという。
施設仲間の話によると、亘が養子に出された数年後に、光多が施設に送られてきたらしい。
颯人の幼なじみは、施設の職員が何度か話すのを聞いていたそうだ。
光多が来る前に、亘に早く里親が見つかって良かった。
光多は、亘の母親が死なせた被害者の親族なのだからと……。
その話に、亘は、衝撃を受けた。
光多のことは、授業を受けもったこともあり、綺麗な顔立ちであったことから、よく覚えている。
そういえば、被害者の親族は、もう一人いたと聞いていた。
電話を切った後、黒沢に問い詰めた。
「黒沢君、杉山光多君は、君とどういう関係なんだい?」
黒沢が一瞬無言になる。
「頼む!教えてくれ!彼は雪斗に危害を加えるかも知れないんだ」
黒沢が眼鏡を外す。
その顔に亘は息を飲んだ。


[*前へ][次へ#]

6/37ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!