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雪に咲く花
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亘は、黒沢の顔をじっと見つめた。
分厚い眼鏡で、彼の表情は読み取りづらい。
「君は、僕の母親とその息子である僕を恨んでいたんだね?母の事件で君たち家族までも巻き込んでしまったんだから」
「何の話をしているんですか?まあ、はっきり言って、僕が福原先生を恨んでいるのは確かですけど……」
「僕を恨むなら恨めばいい。しかし、関係のない雪斗まで巻き込まないで欲しいんだ。頼むから雪斗には手を出さないでくれ」
黒沢が、一瞬きょとんとした目をしたが、言葉を続けた。
「何を訳のわからないことを言っているんですか?僕は貴方がちゃんと真柴を守ってやらないことに怒りを感じているんです。手を出しているのはクラスの連中だ」
「おいっ!それはどういうことなんだ?」
黒沢の含みのある言葉が気になり問い詰める。
黒沢が口を開きかけようとしたとき、亘のスマートホンが鳴った。
颯人からだ。
「颯人か?、今大切な話をしてるんだ。後で、電話するから……」
「待ってくれよ!こっちだって一大事なんだ。雪斗が危ないんだよ」
「どういうことだ!?」
「杉山光多っていうやつ覚えてないか?あいつ、昔、施設にいたことあるらしくて、とんでもないこと聞いちまったんだよ」

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