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雪に咲く花
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亘は、名簿にあった住所の家にたどり着いた。
この家に、母が死なせた被害者の親族が住んでいるのだ。
今までのことは、彼が仕組んだ可能性がある。
なんとしても確かめなければ……。
拳を握ると、インターホンを鳴らす。
「はい」
「福原といいます。叶多君はいらっしゃいますか?」
暫くしてから、ドアが開き、見覚えのある少年が顔を出した。
「久しぶりだね。黒沢君」
「あの、僕に用ってなんですか?」
黒沢が眼鏡の奥から、亘を訝しげに見つめる。
「こんな時間にすまない。ところで君は野崎優子の名前は聞いたことあるよね」
「……えっ!?……まあ、母親から何度も恨み言を聞かされてましたから」
「彼女が死なせた、青山京子さんは、君とどういう繋がりがあったのか知りたいんだ」
「中にどうぞ。今日は僕ひとりなんで……」
黒沢が、家に亘を招き入れた。


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